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花粉症(季節性アレルギー性鼻炎)は、手術で完治できる病気ではありません。また私たちは、花粉症それ自体は手術が第一選択になる病気ではないと考えています。なぜなら花粉症は、予防対策や薬などの保存的治療でコントロール可能な場合が多く、また例え手術を行っても、花粉が侵入した際のアレルギー反応を完全に予防できるわけではありません。さらに近い将来は、免疫治療などより優れた保存的な治療法が開発され、ますます保存的治療の役割が増してくると予想されます。
では、なぜ私たちは、花粉症の患者さまに手術治療を用いているのでしょうか?
“鼻水”、“くしゃみ”、“鼻づまり(鼻閉)”といった花粉症症状は、花粉が鼻の中に侵入した時だけに起こるわけではありません。シーズン中、花粉とは無関係に鼻づまりや鼻水が続いたり、冷気などでくしゃみが誘発されることが少なくありません。花粉とは無関係に起こるこれらの症状の方が、シーズン中の日常生活に大きな支障をきたすことが少なくありません。
これらの症状は、「粘膜過敏症」と呼ばれる粘膜の変化によって引き起こされます。粘膜過敏症とは、粘膜に慢性の炎症が生じ、粘膜が腫れたり、粘膜上皮が破壊されるために冷気などの物理的な刺激に過敏に反応するようになる状態を指します。ちなみに、気管支粘膜に生じた粘膜過敏症は喘息と呼ばれます。
花粉症のシーズン中には、一時的ではありますが、鼻腔粘膜の過敏症を生じる可能性があります。薬で症状をコントロールできる場合がほとんどですが、中にはステロイド以外効果を示さない重症例もみられます。薬の効きにくい粘膜過敏症に対しては、手術が効果的です。手術はまた、一定期間(人によって異なりますが3ヶ月から半年程度)、花粉が侵入した際でも症状を起こしにくくする効果も期待できます。毎年、予防のために長期間薬の内服を余儀なくされている場合、保存的治療では効果が少ない場合など、さらに、車の運転手、パイロット、あるいは妊婦など、薬を使用できない場合には、手術の果たす役割は決して少なくありません。
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